村上隆さんの2006年の本、芸術起業論を読んだ。FBでしばらく前にご本人をフォローして、陶芸にいろいろ関わって行動、発言しているのを見知った。最初に言うと、私はこの本の表紙も嫌だ(買って即娘のお絵描きの紙でカバーした)、村上隆さんの一連の作品は好きじゃない。ただ、本の内容は至極まっとうだった。
- 作者: 村上隆
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
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マチスは天才で、ピカソやウォーホルは天才じゃない、と、村上さんは書く。確かに私はピカソやウォーホルには憧れない(むしろちょっと嫌い)、マチスには憧れる(一番好きで無いけれど)。同じように村上さんの作品も興味がない。だけれど、村上さん自体にはちょっと興味がわいた。同時代に生きている、9歳年上の、芸術界で頑張っている人。すごい。
さて、これをどう自分の中で消化しようか?と、しばらく考える事になりそうです。しかし、やる事はただ鎚を握る事だけですが。
追記:今、自分で言えるのは、自分の手でつくらないのは私にはできないし(多少の効率化はしたいけれど)、セレブ(?)の人たちだけをターゲットにしてつくることは確かにスリリングかもしれないが、その戦略としてつくりたいものを変えることはありえない。
と、ここまで書いて、ああ、これが私小説的と呼ばれる所以か、と、理解した。個人の身体性、日々の暮らしからにじみ出るものが、結果としてかたちになる。つくることなんて、そんなに意識して変えられるものでもない。そこには個としての表現にとどまる構造しかないのかもしれない。
大学にいた頃に、油画の先輩から「(芸大生なんだから)王道であれ」と、言われて、なんじゃそりゃ?と、思ったが、そもそも鍛金の王道なんてあるのかなと、今でも思う。
- 作者: 村上隆
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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