kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

森籠もりの日々

久しぶりに森博嗣の本(日記)を読む。

文体なのか内容なのか、本は好きだけれど、読みやすいと思う本は理系の人が多い。この方は工学博士からの物書き。子育てで読書量が減った時期もあり、10年くらい前に断筆していたと勘違いしていたが、ちっともそんなことはなく、遠くで庭園鉄道と執筆の日々を過ごされていたようだ。よかった。「店主の雑駁」http://blog.fuyushoten.com/

森籠もりの日々

森籠もりの日々

エンジンについて語っていると、美しさの話になる。

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人間が作ったものには、人間の思考が染み込んでいます。形や素材、配置や仕組みなどすべてに、なにかしらの意図があって、こうすれば、こうなるはずだ、できるだけ、こうなってほしい、といった声が聞こえてきます。古いものは、すなわち残っているものであり、つまり残るだけの価値を持っていたわけですから、それらの声がたくさん込められているのです。そして、そんな声が、つまりは技術になり、また最終的には美しさになる、ということもだんだんわかってきます。何故、美しさになるのか。美しさを目指したのではなく、その意志のようなものを人間は美しく感じる、ということです「森籠もりの日々」P138 より引用
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素材と形とを、私の意志や希望のようなものを、空間に現せればと思う今日この頃。