kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

岐阜、名古屋へ

まだ寒い頃、地元図書館で堀江敏幸さんの講演のチラシを見かけた。とりあえず堀江敏幸さんの著書は手に取ることにしているので、これは行かねばと予約の電話をした。予定したのは3月だったので、6月に自宅のリフォームは終わっているだろうと思っていたが、まだ終わっていない。楽しいリフォームとはいえ缶詰の日々は飽き飽きで、他にもいろいろ合わせて1日お出かけの日にした。

f:id:kane_hen:20190602114857j:plain「茶に纏わる物語」会場は元お麩屋

まず、「茶に纏わる物語」最終日だったのだけど近くにお住まいの登根円さんにも久々お会いできた。同じ出展者の廣瀬周士さんも芸大先輩ということで、普段すっかり忘れている、なんだか濃ゆい学生時代の空気も合わせ、そして同じ岐阜県人ということで興味深いお話も。帰ってきてhttps://www.sketch-on.net/をメモ、溶接機、そうか、それ良いな。

そして、今回の本題、「小島信夫文学賞受賞式・講演会」@岐阜県図書館。小島信夫って誰?岐阜の有名な文学の人??と思いつつ、事前に『各務原・名古屋・国立』と年譜だけはざっくり読んでみたが、地名にチラホラ見覚えがあるだけで内容は??で当日。

本は好きだけれど、文学好きというわけでもなく、終わりまでの2時間半楽しめるか心配だったけれど、意外にも楽しく人の話を座って聞けた。県の辺境まではなかなか来ない岐阜県知事も初めて見た。強いていえば閉会の挨拶をした副会長の話は今時こんな人もいるんだなーとは思ったけど。

本賞を受賞した32才だかの見た目がお笑いの又吉ナンタラさんみたいな桑垣考平さんが、受賞挨拶で幼子のいる家族への感謝を述べつつ涙していた。その手のことは全く門外漢でわからないけど、小島信夫文学賞は新人向けの賞らしく、創作系で生きてゆくことの大変さは少しだけわかるような気がするので、ついもらい泣きしてしまった。おめでとうございます。

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で、授賞式後の講演会。堀江敏幸さんと清水良典さんどちらも大学の先生をしているということで、人前で話すことは慣れているというか、それがお仕事の一部だと思うので、へーと思うこと多々、文学とその周辺について面白く聞いていた。唯一自分の事としてひっかかったのは清水さんが小島信夫の書く女性像は女性から見ても痛快なのではないか?と、言った部分。

私自身、今、フラットな視線で女性であることをありのままに在らせることは、自分自身でも難しい。少し前まで気にせずにいた性差別が様々立ち昇って、今見直されるべき時代に来ているのは確かで、そいう言った時代の空気感が文学界とやらにも影響があるのは至極当然なのだろう。とりあえず、初期の小島信夫さんの著書も読むべきか、壇上の2人が手にとっていたあの文庫はどれだったのだろう、気になる。調べて買ってみようと思った。

そして、夫と子供と合流すべく名古屋方面へ。会期最終日のアナログライフの沢田英男 展「投影」へ。それまで見ていたモニター上の映像でも素敵だったのだけれど、実物はそれとはまた違う空気感で、ちゃんと見に行って良かった。思いがけず沢田ご夫妻とシュプリンゲンな話もできてびっくり。

そして、毎度定番のブルーデル(食べログ)で重たくて硬いパンを買い込んで帰路。

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ちなみに、講演会後、ミーハー心を発揮して本にサインをしていただいた。名前を**さんへとか入れてもらうのは(文学的には普通なのか?ともよぎったが)余りにもこっぱずかしくやめた。どう考えても推しに名前書いてもらうとか変だろ!と、サインを眺め見てはニヤニヤ。

と、久々の遠出を大満喫した1日でした。

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そして、自宅リフォーム。家の半分、手付かずだった和室を大工事してモビールの写真も撮れる白い壁のある空間にしました。まだ家具や荷物を入れていないので広々、これからモビールを吊るすための金具や、シェードなどなど細かな仕上げがいくつもありますが、夏頃を目標に引っ越し、模様替えも完了予定。

環境を整えて、11月には昨年春に個展を行ったcrossing galleryで2回目の個展、楽しみです。