kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

ドイツパン

日が落ちるのは少し遅くなったような気もするけれど、雑木の小山に挟まれた我が家はまだまだ夜長の季節は続いている。寒さのせいか、子供と一緒に寝てしまうことも多いが、余力のある時は就寝前の読書が落ち着く。少し前に、風の谷のナウシカの原作漫画を読み返してみたら、ずーっとほとんど戦争の話だったと気が付いた。というか、これまでも何度か読んでいるのに、私は何を読んでいたのだろうかと、愕然とした。本は不思議だ。

で、最近読んだ本。自分でも時々適当なパンを焼いてみたりするのだけれど、買って食べるのは選べるならば圧倒的に重たい表面の硬いパンが好き。だけれど、それをなんと言うのか解らずにいたのだが、この本を読んでわかった気がする、私はドイツパンの大きく焼いたのが好きだ。全くふかふかとはしていなくて、どっしりとして、温めて食べるのも良いが、冷たいままでも美味しいのが好きだ。

ライ麦とサワー種の風味とか、あまり普通のパンのレシピ本では見ない、生地をふやかす(そう、大きな粒を浸してふやかす、時には茹でさえもする)とか、古いパンを砕いて混ぜる、とかいう作り方、あの質感といい、キメの細かな味わいがどうやって醸されているのかずっと謎だった。本書をざっくり読んで、想像だけだけれどもやっと少し理解することができたような気がする。

食は文化なのだと、レシピから立ち上る想像を味わいながら、就寝までのひと時を過ごして贅沢な夢を見た。いつか、パンを食べにドイツに行きたいなー。