kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

断捨離に憧れて

気がつけば、4月半ば、まだ工房の片付けをしています。

 

工房のリフォーム、なんとなく、なんとなくでいたのだけど、なんとなくではどうにもならず結婚以降(10年)いや、独立以来(18年)、いや大学院卒業以来(2*年)引っ越しのたびに持ち歩いた捨てられない切り屑や作りかけの作品などなどを、金属買取業者に持っていった。ちょっとしたお小遣いになった。

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2003年に個展をやった時の、学生に手伝ってもらって溶接したアルミのでっかいフネも、一部を犬の冷却プレートとして切り取って再利用して、あとはドナドナした。アルミって、意外と安いのね。よくあんな2mの大きさのものを引っ越しのたびに持ち歩いていたものだと、自分でも呆れた。

リフォーム後は白い、撮影にも使える空間にするので、今まで使っていた古材のような味わい深い机やガラスケースは全部捨てるつもりです。なんなら合板でないやつは分解して薪になるかも。こざっぱり、わからないけど誰かがいつか別の用途でも使ってくれるような工房になると良いと思っている。

ところで、受験期のデッサンって捨てました?私、まだ捨ててないんです。木炭紙大のデッサン、厚みにして10cmくらいと、B3の色彩構成などなどとエスキース帳20冊くらい。捨てた方が良いのはもう解っているんですが、ねぇ、なんと言うか。墓場には何も持って行けないし、まぁ、建物の解体の前には捨てると思います。えー、なんていうか、どうしたもんか。

読み返すかもと思っていた釣り雑誌の束は捨てたし、釣り道具もだいぶコンパクトにする。バイクのヘルメットも2つとも処分した。それから、布ものがまた悩ましい。機械かもしれないけれど、確実に綿の布は植物の棉から糸になってそれが布になったと思うと、本当に捨てられないのよ。そのエネルギー、価値、何がどうなってどうして捨てられるのかと。

でもね、物に囲まれて暮らして、頭の中の処理能力がこれ以上向上するとも思えない現状。身の回りを片付けることで、余白をつくってゆきたいものですわ。断捨離、憧れるぅ。