3泊4日関東の旅から帰ってきました。
まず1日目、新幹線でビューッと。
とにかく暑そうなので少しでも近くまで電車で行こうと東京メトロ外苑前駅から徒歩4分で、ギャラリーへ。2年ほど前に店舗に伺って、小さなスペースだとわかっていたので、今回は組み立て前のモビールの箱も展示するという試み。
ドワネルさんはオーガニックなどこだわりコスメ?香水?の輸入代理店さんもやっていて、ギャラリースペースの奥には香水などのサンプルをお試しいただけるスペースと、今回は浅野扶さんの真鍮のカトラリーのPOP UPも同じ会期でやっています。
設営終わって、大船へ。高校時代、予備校時代を過ごした大船。だいぶ変わっているけれど、柏尾川と大船観音、ドブの匂い、色々懐かしい。たぶん10数年ぶりだよねと同年代の子供のいるRさんとお茶。結婚出産でキャリアを切断されて、子育てがひと段落して今後の方向性を模索中の彼女、都会なら色々仕事がありそうに思うけれど、なかなか現実はそう簡単では無いと聞いて、なんともいえない気持ちになりつつも、応援したい。
3日分の朝ごはんと夕飯にお弁当を買って実家に。荷物を置いて、中学時代よく行っていた高台にある神社に数十年ぶりに歩いてゆく。とにかくもやもやとぼんやりしていたあの頃、何者でも無い自分を憂いていた自分に、40年後は岐阜県に住んで結婚して子供と犬とアトリエもあるって言ったらびっくりするだろうなぁ。
2日目はお上りさんDAY だけども、あまりの暑さで自制して動く。まずは東博で内藤礼の展示をみる。同時開催の銀座のカルティエでの展示も本当は見たかったが断念。内藤礼は学生時代の友人が研究テーマにしていて、その縁で機会があったらみることにしている。私はフランネルの生地が一番素敵だなと思った。厚みといい色合いといい、超好み!あの生地に寝転がりたかった。
上野公園
東博の常設展示の
東博の素敵タイル
で、ちょっと用事があり芸大図書館へ寄る。時間と体力が余っていたら鍛金研究室とかも寄ってみたかったけど、今回は断念。そして、上野公園内でノラヤとランチして近況報告、まずはこの暑さから生き延びようとお互いを讃えて別れる。その足で、インスタでちらほらおすすめされていた、谷口聡子さんの個展『隣り合う、溶け込む』を拝見。
とてもよかった
上野に戻って、パンダの靴下など土産を買い、アトレ内のみはしでフルーツクリームあんみつ(博物館半券チケットで白玉2個付きサービス)を食べました。
そして、アレキサンダー・カルダー展、麻布台ヒルズギャラリーへ。
これ、思ったより大きかった。
立体の作品数はそれほど多くなく、私はカルダーの手仕事感が特に好きなのであって、油彩はあまり好きじゃ無いし、網羅するのではなく、ごく一部のものをあえて選んでいるのだろうなと。展示は壁面の材質や空間もしっかり作り込まれて、効果的に見える、なんかお金かけてますという感じ。動画もあった。カタログはとても凝ったつくりだったけど8,580 円(税込)は流石に高過ぎて買わなかった。色んな意味で企画意図を感じた。そういう人向けってことですね。
帰りにふとメトロの六本木1丁目で帰ってみようと思いつき、結果、麻布ヒルズから六本木ヒルズを横切る形になったのだが、これがセレブの住む街、タワマンの乱立するヒルズなんだと気づいた。あの暑さの中でも人の通る道沿いには街路樹や植え込みがあって、高層ビルの陰もあるし、歩いていても予想外に涼しかった、快適と言ってもいい。
全てが意図してつくられた街。街路樹はほとんどが常緑であまり落葉しない樹種、雑草もほとんど生えてなくて、手が入っているのもあるだろうけれど、鳥がこなければ雑草の種も飛んでこないと思う。ちょっとした狂気を感じた。元の街がどんなだったのかは知らないけど、一切合切を作り直したんだろうなぁと。
東京。新宿とかの猥雑さとかもすごなと思うし、青山でモデルさんみたいな人たちが闊歩してたのも田舎ではなかなか見られない景色だったのだけど、ヒルズはものすごく綺麗で整っていて、快適で、何もかも値段が高いのとか、なんだかなんだか、都知事選も相まってショックでした。
で、帰路。本当は天王洲で鍛金研究室の学生の展示もあったけど、もう限界。行きたいのはやまやまだけれど、体調を考えて我慢して早めに家に帰った。のだけど、帰ったら頭痛はするし気持ち悪くて夕飯も食べれず、慌てて梅干しを舐め、トマトに塩をドバッとかけて食べ、深夜に起きたら治っていました。まぁ、軽い熱中症、塩分不足。
3日目はアーディゾン美術館(旧ブリジストン)「ブランクーシ展」に行った。はじめて、動画のブランクーシを見た。高校生の時に知ってから、今までなんとなく、彫刻の人は大きい人が多い気がするので(偏見)、ブランクーシも大きな人だと思い込んでいたが、小さな人だった。それでも、手を、体を動かして何かをつくる人特有の体つきをしていて、ああ、まるでドワーフのようで、グッときた。
なんかかっこいい
そういえばブランクーシの「fish」という作品があるのだけど、1点で支持している彫刻作品なのだけど、それをブランクーシ自身がぐるぐる回している動画があって、面白かった。あと頭部の作品もゴロンゴロンさせているのをあえて動画で撮影したりしていて、普段美術館でうやうやしく飾られているので、ギャップがなかなかすごい。
空間の鳥
終わってしまったけれど、図録も普通に2000円台だったし(買った)。東京駅から地下街を歩いて地上をほとんど歩かずに行けたし、とてもとても良い展示を見た気分。
アーティゾン美術館の向かいには安藤泉さんのキリンがいた。昔に比べると、緑青の色がだいぶ黄色くなったような気がした。
そして、13時ごろから終わりまで在廊。恐ろしい猛暑から警報の出る雷雨になったりして、大変な気候の中、近くも遠方も来るだけで大変な時に足を運んでいただき本当にありがたく思いました。在廊って、いるのかな?と、いつも思ってしまうのだけど、今回は喜んでいただけたみたいなので、とりあえずホッとしました。
4日目は姉と合流して、箱根で温泉に入りランチして、灼熱の小田原から新幹線に乗って帰路。帰って、ニュースを見たら小池都知事再選の速報が入ったところ。なかなか刺激の多い東京の旅でした。
メモ:Les Rois レロア 小田原のパン屋さん、バケットもペストリーもとてもおいしかった。 PARIYA パリヤ 東京ミッドタウン八重洲のランチ、玄米とコリンキーと太刀魚のソテー、ケールとセロリのサラダが生き返るほど美味しかった。