kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

日帰り東京

弾丸日帰り旅行にいった。旅の友は短編集丹生都比売 梨木香歩作品集 物語を読めるようになったのでとても染み入るように読んだ。子どもを産んでから、小さな子ネタにからきし弱くなったのでバスの中で涙ぐむこと数回。母と娘は父と息子ととはすこし違うけれど、やはり特有の難しさがある。

東京都庭園美術館  内藤礼 信の感情 
庭園美術館が改装して記念の展示ということで、本館の方には割と高年齢の方々がわんさといらっしゃっていた。普段撮影可なのだけど、この期間中は土日は撮影不可と書いてあった、確かに、あの人数で写真を撮りだしたらまともに鑑賞出来ないだろう。なので、これから行く方には平日をお勧めします。
本館には、ときどき内藤礼のちいさい人が居た。うん。どうでも良いけど、あのちいさい人はバルサが素材なのだろうか?木目といい、軽そうな感じといい、そんな気がした。
そして、新館に展示していたのは、絵画だった。言葉で言うととてもちんけだけども、白い画面にうっすら黄いろ味や橙、あお味のがかったもやがみえる。一瞬それが目の錯覚や、もし印刷だったらモアレかなにかのような、そこにあるものを見ている、と、いうこと自体を意識させるようなものだった。
私は根が単純なので、おおよそ「ああ、そういうしくみか」と、解るととたんにどうでも良くなり、その意図自体に食傷気味になることが多いけれど、内藤礼の作品はその「しくみ」と「わかる」のあんばいが絶妙で、ずーっとみていたくなる。嫌にならない。
その塩梅は言葉にできないところにある何かなのだろうけれど、コンセプトや技法、技術よりも、大事なものに違いない、といつも思う。

・山田瑞子展 metalwork&jewellery展 Gallery YORI 
大学の先輩に当る、瑞子さんの個展。3年に1回、16年間も続けてこられたという個展は、小さな空間に濃密にひろがっていました。勝手に鍛金の先輩だと思っていたけれど、学部で彫金、院で鍛金研究室だったという事を、今回初めて知りました。作品はジュエリーも多いけれど、器やカトラリーなど幅広く、短い時間ではしっかり見たとは言いがたいくらい多くの作品がありました。
瑞子さんは、ちょうど私が学生の頃にはもう卒業されて同じ空間にはいらっしゃらなかったけれど、同級生に当る女性お二人が代わる代わる美術研究や、保存修復などの先生で大学に残っていました。当時、夢ばかり脹らんで、卒業後の事など真っ白だった私には、その女性お3方の活躍をただ眩しく思っていました。
その頃の年齢を軽く上回ってますが、今でも先輩は憧れだなぁと、ちょっと緊張しつつ、瑞子さんとお話し、いろいろ思い出し楽しい時間、名残惜しく後にしました。

ギャラリーバーカジマ  12/1 - 27 わたしの今年のかたち 展
銀座に移動。はじめて行った、ギャラリーバーカジマ。久々の東京は電車が暑い!電車に乗る度に上着を脱いでも汗をかく、そして早足であるいてくたびれたのでカジマさんに到着早々にオレンジジュースを飲みました。絞りたての生ジュースがものすごく美味しかったので、また行きます。

銀座で友人と合流して夕飯。辛い辛いインドカレーを食べました、美味しかった。お互い、子どもを産んでから会っていなかったから4年振り?くらいの再開。もちろん母となって変わる所もあったに違いないけれど、やっぱり人はそう簡単には変わらないなーと、空白を感じない楽しい食事でした。
友人と別れ、高速バス乗り場へ。少々時間があったので翌朝のパンを買ったりうろうろしたり。でもやっぱり深夜の都会は田舎者には怖いのでおとなしく待合室で時間をつぶし、やっぱり寝苦しくて夜行バスを少しだけ後悔したけれど、うつらうつらして気がついたらもうバス停に到着。
なんだか怒濤の一日だったのでカメラは持参していたのに、1枚も撮らないままだった。そして、夜の都会はかなり久しぶりで、大方の明かりがLEDになっていて、その混じりけの無い真っ直ぐな明るさを妙に感じた。遠くまでが、不思議にとても明るい。なんだろう、この感じは、と、おもいつつ、また忘れた頃に日帰り旅行もいいかなと思った。