kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

地域通貨の話

5月くらいに、ネットで見かけて興味を持ち「エンデの遺言」を読んだ。エンデと言えば、「モモ」の作者だというくらい。読んで解ったのは、エンデが亡くなる少し前に研究していたのが「お金」のあり方で、地域通貨で時間の経過とともに減ってゆくべきだという。実際にそれらの運用を現在進行形で色々な地域で行ってるらしい。2011年の本で、本の元になったドキュメンタリーは1999年のこと。その後、が気になっていた。

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今日、制作しながら「世界で最も成功しているドイツの地域通貨『キームガウアー』の現場から」というyoutobeの動画を見た。これがエンデの話していた<時間で減ってゆく地域通貨>この動画は2020年2月。

私は常々思っているのだけど、チャージすると入金額より多く使えたり、買い物をするとポイントがついたり、株式投資などで運用しているとお金が増えるというのが一向に解せない。なので、この<時間で減ってゆく地域通貨>についてはとても興味がある。もちろん、減ってゆくだけでは利用者にメリットがないので、ルールがある。

この地域通貨は、時間で一定の割合が減るので、使わずに貯蓄するよりも使うようになる。使うと税収になり(国にもメリットがある)、一部は地域のNPONGOなどの(経済優先でない、地域の人々に還元される活動をしている)非営利団体への活動資金になる。使える店の選別があり、日本で言うところの普通の通貨(円)も併用できる。と、ざっくりした理解だけれど、多分その他細々ルールがあり、結果としてこの通貨は地域の中でお金を回すことができているそうだ。グローバリズムに対抗できる方法として注目されているらしい。

と、いろいろ書いてはみたものの、理解できているかと言えば多分まだできていない。ただ、日々畑で野菜が育つのをみたり、手の中で素材が動いてものをつくり上げる仕事をしていると、今の世の中は変じゃないのかと強く感じる。違和感、だけれど明確に言葉にはできない。ツケを未来に回してしまっているのじゃないかと感じる。

自分でできることをできる範囲でやっている。けれど、それだけでは足りないんだろうと、うっすらとした絶望感が今の私にはつきまとっている。しかし、私は決して諦めない無限の希望も持っている。この<時間で減ってゆく地域通貨>というのは面白いと思う。継続して考えたい。