kanehen

金属をたたいてつくる人 の忘備録です

君たちはどう生きるか

義父母のお盆の法要で家族で名古屋に出かけたので、都会で何か?ということになり、映画を見ることにした。村上隆氏が、インスタで絶賛(?)していたので、予約して楽しみに行った。

ネタバレ的な感想。

新しい表現ではなかった。私は克明に照らし合わせるような記憶力はないのでふわっとした既視感。夫コメントで腑に落ちたのだけど、これまでの「ホルス」とか「コナン」とか「トトロ」とか「ポニョ」だとかの過去作の総集編、ただひたすら、宮崎駿さんの内面を、「僕はこう生きた」と言わんばかりに駆け巡った感じ。宮崎駿さんはこの映画をもって、若い世代に引き継いだと感じた。

宮崎駿さんは82歳、80代でこの仕事をするのはすごいなぁ。YouTubeでの「米津玄師 × 菅田将暉 - 僕たちはどう生きるか 対談」を帰ってから見た。お二人は30代前半。なんとなく自分の30代の感覚を思い出す、30歳前後にはその時に感じられるものがある、一つの時代を思い出す。

私は52歳になる夏なわけで、ちょうど間くらい。振り返って、30代前半からは想像し得ない今がある。今、この年になって、年をとる面白さ、記憶が積層してゆく面白さ、それと同時に、年を取ることは残酷で若い時の自分を裏切らないように生きるだけで精一杯だったりもする。そんなに長生きしようとは思ってないけれど、80代まで生きるとしたら、あと30年かぁ。

そう思う一方で、この映画はあの時代の男目線でしか語られていない。没入すべき自分はいない。女がほんとうに思っていたことを知りたいと思う。声なき人の声を聞きたい。この先いつか、男や女やそのほかいろいろの役割だけでなく、1人の人として全ての人がどう生きるか、自ら選びとって進める未来を思う。

うちの12歳の子は「面白かった」とあんまりにも簡潔に言語化していてそれはどうかと思うけど、そんなこと私がどうこう言う必要はなくて、今の若い人たちがそれぞれに想えば良い。そして、この映画は映画館でなくても、それぞれのタイミングで見れば良いんだろうなと思った、何回でも見れば良い。